API Meetup Tokyo に行ったら今すぐビジネス始まっちゃいそうなレベルで濃厚だった話

API Meetup Tokyo #26 〜 ヒト・モノ・カネの流れを繋ぐAPI、クロスインダストリーで生まれる事業開発のイマ!〜にお邪魔してきましたよ!

api-meetup.doorkeeper.jp

 

まずはタイムテーブルをご覧いただきたい。
……おわかりいただけただろうか?スピーカー陣が背負っている名前の大きさが……!

とまあ軽口はさておき。所属企業に超ビッグネームが並びます。この錚々たるメンツ、運営さんが直接依頼して出ていただいたそうです。ぱない。

そしてこれだけ「あの企業の人と名刺交換するチャンス!」な回にも関わらず、参加者の約6割が技術系というのも楽しい感じです。通常の勉強会ではなかなか接点のない組み合わせではないかと。ワクワクですね。

タイムテーブル順に詳細見ていきます!

 

銀行APIの「今」と「これから」

個人的に一番楽しみにしていた……というか、この枠の存在を知って取るものもとりあえずイベント申し込んだっていうくらい聞きたかったセッション。

赤い銀行の中の人がAPIについて語ります。熱くないわけがない。

 

どうも、「イノベーションを起こせなければ今ある銀行は2026年までにで9割がお亡くなりになる(超訳)」という予言があるそうでして。

改正銀行法も施行され、国内の各行にもAPI提供の努力義務が課されたとのこと。努力義務とはいえ天下の都市銀行がお触れをのらりくらりとかわせるはずもなく、情報の公開範囲をどうするかとか、課金体系をどうするかみたいなビジネス的な部分を詰めている最中、という感じですね。

開発者向けのポータルが既に公開されており、API仕様も一部公開済み。(スタブレベルと思われますが)テスト用の呼び出しもできる状態とのこと。本番稼働は今秋を目指しているそうです。

中の人たちの姿勢が超前のめりで(アンケートの代わりにボールペンくれるし、懇親会のスポンサーもしてくれたらしい。お金かかってる)必死さというか大変さというか……本気でどうにかしようと思っている感じが伝わってきました。

ただ定例休止を避けられないようで、24時間が前提になるWebサービスではちょっと使いにくいですね。店舗での利用が前提であればクレジットカードよりもマージンが安くなって良いかもしれませんが、現実的には併用になるでしょうか。

 

あとサービスを作る側の視点に立つと、相手がUFJだけでは旨味がないというのも本音では。
ちょうどJJUGで地銀のホームページをスクレイピングするの統合とかでホームページの作り変わっちゃって辛いみたいな話もありましたし、業界全体での統一規格みたいなものがあれば良いのかななんて思ったり。
正直地銀が近所のIT企業に設計してもらったAPIとか本当に嫌な予感しかしないので、インターフェースだけでもメガバンク主導できっちり決めていただけると……(蘇るマイナンバーの思い出)

 

APIを活用したANA版Society5.0への挑戦

ところ変わって航空業界のお話です。

特に国際線を念頭に置いて、海外の航空会社がどのようにITと向き合っているのかを紹介。ANAが彼らと戦うために、APIをどう活用していくのか……みたいな話でした。

伝統工芸のECなんてやってたんですね!知らなかった!

wayocraft.com

日本にAlexaが上陸した時から連携を進めてきた実績、「デザインシンキング」「アジャイル」などのバズワード(から一歩抜け出した感もある言葉ですが)を交えたプレゼンなど、上からの言い回しで恐縮ですがすごく勉強されているなという感じで、非常に心強い印象を受けるセッションでした。株やってたら買ってましたわ。

航空業界はデータ連携のための標準規格を定めているそうです。言われてみれば国際線に乗っている時間ってホテルに一泊するのと同じくらいになることもあるので、便を探す時もこだわり条件での検索などもう少し広がって良さそうな感じはしますね。

日本語対応可、機内Wi-Fiあり、電源あり、みたいな。

 

モビリティサービスの未来〜APIで目指す世界〜

社会人として恥ずかしいことに「IDOM」と聞いてすぐに何の会社か思い出せなかったのですが、ガリバーね!しってる!!

ANAとはうって変わって、エンジニア向きじゃない社風に苦しんでいる様子が……
「国内の老舗企業」と聞いて私たちが想像するようなセールス多め体育会系企業とお見受けしました。それでもはたから聞いているだけでワクワクするような面白いサービスを打ち出しているのがすごい。自家用車の定額サービス、色々な車を試してみたい層にはめっちゃ刺さりそうですね!

カーシェアリングは一時期かなり話題になった気がしますが、自動車関連の企業さんにとって「MaaS」というのは大きなキーワードのようです。カオスマップが出ましたが、もともと趣味にしている人の多い業界なのも手伝ってかプレイヤーが非常に多様で、群雄割拠の様相でした。

「データを統合して公開」の結果としてどういう価値が生み出されるのかを追求したり、ビジネスのスピードや現場のモチベーションを大事にしてコストの二重取り・三重取りを許容したり……エンジニアリング一本できた人からだとなかなか聞けない言葉がたくさん飛び出しました。そして話ぶりがめちゃくちゃ素敵。

 

【LT】 ネットプリントAPIハッカソン提供事例紹介

家にプリンタがない若年世代御用達の、pdfとかをコンビニで印刷できるアレ。転職活動中とかお世話になりました。住宅地図とか印刷できるんですね!

One JAPAN – 大企業の若手有志団体のプラットフォーム主催のハッカソンで、ネットプリントAPIで遊べるようです。

勉強不足でOne JAPANのことは知らなかったのですが、大企業の若手有志団体らしく。激アツですね…!

 

総論

置かれている状況は違えど、各社とも
API提供で何か価値を生み出したい」
「海外ではこんなすごいことをやっているみたいだ」
「でも自社だけではそういうこと実現できないし、何をやったらいいんだろう。誰と組んだらいいんだろう」
みたいな悩みを抱えているように見受けられました。

ハッカソンなどを通じてヒントを得ようにも、そもそも企画力のあるエンジニアとかどうやってリーチすればいいんだ……?みたいな。

エンジニア側からしても、「ここの会社はこういうAPIを公開してる」みたいなナレッジって現状なかなか得られない気もしていて、マッチングに課題がありそうだなあなんて感じました。

 

終わった後はもうどこで新しいビジネスが始まっても不思議ではない状態!
本気で「弊社の社長かCTOが来い」と思う会でした。濃厚だった……!

次回はIoTだそうです。個人的な守備範囲から外れるので見送りそうな気もしておりますが、また濃いイベントになりそうですね!!